人の心の操縦法
どーも。
sho-ichiです。
さて、
タイトルには似つかわしくない真面目な話からスタートしますが、通信制とは言え僕も教育者のはしくれ…
人を育てる時の、僕なりの大原則を紹介します。
学校で働く人だけでなく、子育てをするお父さんお母さん、部下を育てる先輩や上司の方の課題にも通じる本質的な人心掌握術に…
つながるかな??
ご参考になさってください(^^)
リスペクトは自ら買う時代
いつも言ってますが、良いか悪いかは別にして年功序列は崩れ、実力主義の時代が既に訪れています。
(弱肉強食でいいとは思ってなくて、だからこそ他者への共感や配慮、寛容性、社会システムでいうと福祉が重要なわけですが、それは今回は置いておいて…)
学校でも会社でも「先生だから」とか「上司だから」という理由で、無条件に敬われる時代ではとっくにありません。
だからと言って組織である以上、上下関係を作ることは有効です。それによって組織はより機能するからです。
ですから今回の主張は、上下関係をなるべく平らにしてコミュニケーションをとりながら関係づくりをしていきましょうという趣旨ではないところで語ります。(そのやり方もアリだけどね)
今、組織において先生や上司は、
自分が先生たる、上司たる実力をきちんと示すことによって、リスペクトを買うところから始めるべき時代なのです。
そこを考えずに
「最近の若いヤツは礼儀がなっとらん」とか、無条件に敬われるはずと思い込んでいると、そりゃぁ、現代のシビアな人間関係の世界を実際にサバイブしている若者からは「こいつは時代遅れだ、ついてく価値無し」と早々に見限られるわけです。
実力の示し方を間違うとパワハラ教師/上司
流石に今の時代、ビジネスパーソンではそんな上司めったに遭遇できませんが、
時代のガラパゴス諸島-学校には、「生徒に舐められまい」と言わんばかりに、暴力こそ振るわないものの、怒鳴ったり脅したりして、不正を正そうとか、言いなりにさせようとする教師、まだ居ますね。
残念ながら。
ま、そのお陰でウチ(通信制)に流れてくるのでありがたいですけどw(冗談ですよ💦)
僕は大学の協力研究員としていわゆる心理学の領域の研究にも少しだけ携わっているんですが、心理学では、「心」の理解をする時に、人間の「行動」の観察に重点を置くことがあります。また、その時の本人の「考え」すなわち主観も観察の対象にしますが、そうすることによって人の「心」の理解をしていきます。
ところで、怒っている教師、または上司の目的は生徒や部下の行動(様式)の変容ですよね?
しかし、怒るとアドレナリンが出て気持ちよくなっちゃうので、怒ってるうちに怒りたくて怒ってるだけになっちゃってる愚かな方も、
人間なんでしょうがないとは思いますが…いますよね…
本来であれば、目的に達するために、その怒りを向けた結果、相手にどんな考えや感情など心の状態をもたらし、その先にどんな行動が起きるかを冷静に考えることが肝要です。
もし仮に怒って、相手が反発したり、或いは落ち込んだりして、結局適応的な行動に誘導できなかったら、
自分のアドレナリン放出して気持ちよくなって、ハイおしまい…
相手には微塵も成果を与えてないわけで、
そりゃぁパワハラって言われますわね…(⌒-⌒; )
人間も動物
僕が常々意識していることは、人間も動物だと言うことです。本能には逆らえません。
動物は生存するために、負の刺激を避け、正の刺激に近づく性質があります。怖かったら逃げるし、美味しそうだったら近づいて食べようとするわけです。
よく言われることですが、人を思った通りに誘導したい…と思ったら、魚釣りをイメージして下さい。
もし相手に、餌に食いついて欲しいと思った時、
「なんで食わねぇんだ!!」と怒って石なんか投げ込んだら魚釣れますか?
近寄ってこないですよねw
怒ることで相手に望ましい行動を迫ろうというやり方は、このくらい愚かな方法だと思い出すと良いです。
本当に相手を釣り上げて、美味しく料理し、活かしてあげたいのであれば、
撒き餌を撒くなり、餌を変えるなり(疑似餌でもいいですよ)、釣り場や時間(環境)を変えるなりして、釣り上げたい相手の特性をよく理解し、自ら寄ってくるように仕向けることがまずは大切なのです。
ちなみに余談ですが、
なぜ以前はチカラで迫ることに一定の効果があったかというと、
かつては学校や会社というものがかなり個人にとって絶対的なコミュニティでした。そこに居場所を失うことは社会との断絶にも等しかったので、逃げるという選択肢が無かったわけですね。
ま、魚の例えを続けるならば追い込み漁みたいなもんだったわけですね。
相手の土俵で上回ってみせる
さて、では本題です。
どうすれば相手のリスペクトを買うことができるのか。それができなければ、相手は警戒して自分の言葉など腹の中まで飲み込まず、テキトーについばまれて餌だけ食われて釣り上げることはできません!
まずはよくあるマチガイを2つ紹介します。
マチガイ① 意味の無い分野で勝負を試みる
ある意味その最たるものが既に紹介したチカラで圧倒しようというものですが、生徒や部下に自分の実力を知らしめようと、自分の得意分野で見せつけようとする人がいます。
いわゆる武勇伝みたいものとかですね。
もちろん中にはその武勇伝が響く相手もいると思いますので、何も無いよりは、自分の得意分野があることは大切です!
だけど、魚を釣りたいのに、針の先に飴玉くっつけても何も釣れませんよね。
例えば、勉強の苦手な不良生徒にいかに自分の学力が高いかを示すとか、
すごーく内気で運動が苦手なコに、インターハイまで上り詰めた自分の成功体験を語って「だから頑張ろう!」みたいなのとか、
「俺が若い頃はバブルでなぁ!」と言って根性論展開してくる、
みたいなヤツで、あんま響くわけないですよねw
(でも後者2つの例は結構やっちゃう人多いですよね…なんなんだろ…w)
マチガイ② 機嫌取りの先が無い
これは要するに撒き餌だけさんざん撒いてたくさん魚寄ってくるんだけど、全く釣れないってヤツですね。
ビジネスの世界で上役に抜きん出る方にはさすがにあんまりいないと思いますが、
新卒採用でも「先生」になってしまう学校にはやっぱり起きがちですよね。特に若い人に多いかな。
説明するまでもないですが、
要するに、生徒に対して共感的で理解を示すことができるわけです。だから、生徒も寄ってきます。
だけど、いざ生徒の課題に直面したり、反発にあった時に適切な対応が取れないと、結局信頼は獲得できないわけですね。
まぁ、警戒心を解くところまでいけている分、個人的には①よりは全然いいと思っています。チャンスはあるし、あとは自分のスキルを磨くだけですからね。
ただですね、学校にはさっき言ったように、石を投げつけて正そうとする輩も生存しているわけで、共感力のあるこの先生のやり方が生ぬるいと感じて、
善かれと思って、「釣竿を貸せ!」と、水面を掻き回したりするんですよね。そうすると、もう、収拾がつきませんw
さて、ではどうすべきなのか
それは、行動変容を期待する相手の土俵に乗っかって、その上で自分の実力をきちんと見せることです。
ここはどうしても個々のケースによって異なると思うので抽象的な表現になりますが、
生徒なり部下なり、その相手が納得し、受け入れている価値観の中で、自分のスタンスを明示し、その優位性を示すことが大事です。
先にも書きましたが、共感も大前提として必要ですね。
「お前の言っていること、わかるよ」ってスタンスをとることが大事です。
ここまではまぁ、知識として頭で理解している人も多いのでやれるんですが、
「わかるよ」の後に「だけど…」から始める人が多いんですよね。結構。
それはもったいない…
本当は、「わかるよ」の後に「だからこそ…」として、
行動の変容を促すべきなんです。
相手のロジックに乗っかって、その上で、正解にこぎつけるテクニックと言うか、柔軟な考え方が大事です。
特に、教師や上司として気にかかる対象と言うのは、
既存の様式に何らかの困り感を抱えていることの方が多いと思います。
「できないから自信を無くしてる」とか「できないから反発してる」とか。
そういう相手に
「だけど、そういうルールだから」として相手に修正を迫っても、
相手の本当の課題には届かないわけです。
相手の課題に正面から向き合い、
それにきちんと応えていく、そのこと自体が、相手の信頼を得、リスペクトを買うことにもつながるのです。
丸腰で相手の土俵に自ら上がっていく姿勢を見せるだけでも充分、ということもあるのです。なにも、「自分の方がすごい」と見せようと気張る必要さえ、
本当は無いと思います。
結論はシンプルですが、
誠実性が、相手の信頼を得る上では最も大切です。
相手の立場が仕事上、下であっても真摯に向き合う姿勢が、基本的なことですが最も求められています。