昭和男子の令和時代攻略法

幼少期は友達ゼロ人。だけどゼロから作品やイベント、そして組織を創ることかできるようになった昭和男子のマイライフ!

モチベーションマネジメント

こんにちは

sho-ichです。

 

組織のマネジメントをされている方はよくわかると思いますが、

スキル不足よりもはるかに厄介なのが、モチベーション不足への対処です。

 

今日は部下のモチベーションをマネジメントするための基本を紹介します。

  

 

モチベーションの低い社員を教育するのは時間の無駄?

なんでこんな簡単な仕事でミスするんだよ!

なんでそんなに時間がかかるんだよ!

成果を出すためにもっと計画的に、積極的に行動しろよ!

 

組織の生産性を向上させるため、組織マネジメントをする人に部下へのこんな思いは尽きません…

 

モチベーションの低い社員、

すなわちあまりやる気のない人を、やる気にさせるのは大変なことです…

 

スキルが不足しているだけなら、

時間コストを掛けてトレーニングするのも気になりません。成長して、その分組織に貢献してくれるであろう、期待が持てるからです。

 

しかし、

モチベーションの低い人に、モチベーションを高めるようと関わるとき、そのやり方を間違うと、その人の生産性も上がりませんし、そこに時間を掛けている自分の生産性も下がります。

 

そうなってしまった時、モチベーションの低い社員への教育は時間の無駄になってしまいます…

そんな無駄を減らすため、今日は一緒に勉強しましょう!

 

 

アメとムチの効用

 基本的に、アメとムチはそれぞれ異なる働き方をします。

 

アメ=褒める、評価を上げる、報償金を出す、など、良い行動に対して積極的に報酬(物質的なものに限らず心理的な報酬も含め)を与えること

 

ムチ=叱る、評価を下げる、減給する、など、不適切な行動に対して罰を与えること

 

このように定義すればそれだけでわかるかもしれませんが、

 

アメはそもそも相手の良い行動に報酬を与え、同様の行動を喚起する効果があります。

 

ムチは相手の悪い行動に罰を与え、同様の行動を抑制する効果があります。

 

 

よく

「そんな仕事の仕方では駄目だぞ!」

と叱ってしまうマネージャーもいますが、

規範を逸脱する行為に対しては   “叱る=ムチ” は有効ですが、

実は良い行動を喚起するときにムチはあまり効き目が無いのです。

 

 

組織へのコミットメント

さて、とは言え、

「褒めて伸ばそう」という、単純なことではありません。

優秀なマネジメントをされている皆さんは、とっくに「褒めて伸ばす」作戦も取ってこられたと思います。それでも効かないからどうしよう、もう強制的にでも最低限の仕事はこなしてもらおう!

と手を変え品を変え、努力されていることと思います。

 

さて、

アメとムチに共通する前提があります。

それは、そもそも組織へのコミットメントや、上司への信頼は構築できているか?

ということです。

 

例えば、褒める、叱る、

というアメとムチを考えてみましょう。

 

さて、皆さん、

例えば、自分の大好きな女優さんに「素敵ですね」と褒められるのと、見ず知らずの小学生に「素敵ですね」と褒められるのはどちらが嬉しいですか?

 

また、警察の方に「ここは駐車禁止ですよ」と言われるのと、見知らぬおばちゃんに「ここは駐車禁止ですよ」と言われるのだと、どちらが「ヤバい」と感じますか?

 

すなわち、

アメもムチも、

そもそも自分が敬意や好意を持っていたり、価値や権威を認めている相手から受けなければ、効果が無いのです。

 

 

コミットメントと行動傾向の2軸で判断する

さて、

いよいよ本題ですが、

モチベーションが低く行動変容が必要な部下のことを、2つの軸で考えてみましょう。

 

①コミットメント

組織や上司に対する信頼度です。

事業内容に価値を感じていたり、組織の方針や待遇に対して納得していればコミットしていると判断できます。

逆に、上司の悪口を言ったり、組織の方針に対して不満を持っているようなタイプ、すなわち愚痴っぽいタイプはコミットメントが低いと考えられます。

 

 

②行動傾向

モチベーションが低いために起きていると思われる行動の性質を考えます。

積極的な活動が不足しているのか、良くない仕事のしかた(逸脱行動)をしてしまっているのかを分類します。

例えば、モチベーションが低く、サボってしまうとか、適当にやってしまう、などは後者の逸脱行動です。逆に、最低限やってはいるが努力が足りない場合…マニュアル通りのプレゼンで工夫が無いとか、そのせいで受注が取れない…などはは活動不足です。

  

そうすると、以下のようなタイプ分けができます。 f:id:bboysho-ichi:20191122120423j:plain

 

 

コミット×活動不足

こちらは一番シンプルなパターンでアメが有効です。

コミットメントは高いので、組織から公に評価されたり、褒められたりする機会を通して、望ましい行動を喚起してあげることが大切です。

出来なかった部分よりも出来た部分を見つけて褒め、少しずつ行動様式の変容を促しましょう。

 

 

コミット×逸脱行動

あまりピンとこないタイプかもしれません。

例えば素直で一生懸命やってるんだけど、遅刻や、ミスや間違いなどが多いなど、

おっちょこちょいなタイプと言えるかもしれません。

 

実際にはモチベーションが低いのとは少し違うのですが、

集中してないのはやる気が無いからだ!と誤解されることもあります。

 

生来の発達特性とかに起因しているケースもあるので、その場合は本当は仕事の仕方を変えてあげるほうが生産性が上がるという可能性もありますが、

一応、このケースの場合はムチもある程度有効です。

 

ただ、起きたことを責めるというよりは、起こしたらペナルティがある、というようなプレッシャータイプのムチが良いと思います。

 

適度な緊張感やストレスがあった方が集中力が上がるということは、

ヤーキーズとドットソンのマウス実験などでも科学的に明らかになっています。

(有名な実験なのでググってください)

それに、起きた後にそのことを責めるのはコミットメントを下げることもあるので注意しましょう。

 

 

不満×活動不足

こちらも多いタイプかもしれません。

文句が多くてダラダラ仕事をするタイプという感じでしょうか。

 

まず明確なのは、「もっと頑張ってほしい」というタイプなので、ムチは有効ではないということです。

しかし、一方でアメもあまり効きません…

何故ならコミットメントが低いので、例えば仕事上で良い成果が上がったとしても

「仕事が増えるだけで面倒くさい…」などと考えてしまうケースさえあるからです。

 

コミットメントが低い場合は、

とにかくまずはコミットメントを高めるしかありません。

仕事にやりがいを感じてもらえる環境を整えましょう。

可能なのであれば異動などで別の職務内容につけてあげるのも手です。

 

しかし、大きな組織でない場合、そうもいきません。

そういう時は、アメの出し方を変えるしかありません。

 

組織へのコミットメントが低い場合は、個人的に信頼されることが有効です。

組織へのコミットメントが低いので、“上司の仕事”として関わっても心を開きません。個人的に信頼関係を結び「会社のやり方は不満だけど、〇〇さんが言うなら頑張りますよ」という関係性を目指すしかありません。

 

テクニックとしては、

人間は自分には価値があると信じたい性質があるので、自分に似た人を好んで評価する傾向があります。(類は友を呼ぶわけです。)

ですから、仕事に対する立場やスタンスはあくまでも異なると認め、

趣味などプライベートなところで共通の話題を見つけるなどから、信頼関係づくりを始めると良いと思います。

 

 

不満×逸脱行動

さて、これが一番こじらせているタイプですね。

上司や組織の言うことを聞かず、そして仕事もちゃんとやらない。

そりゃぁ怒りたくもなりますよね…

(っていうかそんなに嫌なら辞めりゃぁいいじゃん!と思いますよね…w)

 

しかし、

そもそもコミットメントが低いので、怒っても概ね無駄ですw

怒られてやめるくらいなら最初から逸脱しないので、たぶん通用しませんww

 

この場合も前者同様、アメやムチを他の角度から出す、そのための下準備がまずは大切ということになりますので、まずは個人的な信頼関係を構築するしかありません。

 

しかし、問題が逸脱行動なので、

信頼関係を築くためにあまり時間を掛けていてもいけませんし、

信頼を得るために寛容に接し過ぎて言うべきことを言いそびれる、ということが過ぎてしまっても、リスクマネジメントすべきマネージャーとしては職務が全うできません…

 

そういった場合のもうひとつの対処法は、

アメやムチが自動的に降ってくるかのような仕組みを構築することです。

 

コミットメントの低い人間に一番やってはいけない説得法は、正論で論破を試みるとか、感情的に叱りまくる、ということです。恐らく全く効果は期待できません。

 

さて、どういうことか。

 

例えば、業績管理システムなどを導入し、自動的に勤怠状況や受注率などを見える化します。また、そういった客観的データをもとにしていたとしても、その結果のフィードバックやそれを踏まえた指導を今まで通り上司が行っては、反発を買います。

そういう時は、システム上コンプライアンス違反ができないようにするとか、業績に応じて自動的に評価が決定するとか、そういった自動化がおススメです。

 

不満を持っている社員は、その不満を大声で表明したいという欲求も同時に持っています。改善のための指摘をすればそれを助長することになりますので、

あくまでもシステマティックに、行動評価を下してあげる仕組みが有効です。

 

 

積極的な介入をせずに、正当に評価を下げていけば、大人しくなるというものです。

 

 

最後に

さて、いかがでしたでしょうか?

 

相手の行動変容を迫るときに、

良い行動をしないことを叱ったりするのはそもそも論外ですが、

一律に褒めればよい、とか、叱ればよい、というワケではないわけです。

 

大事なのは、組織へのコミットメントの高さや、

自分との信頼関係の高さという判断軸も併せ持つということ。

 

是非、良い組織づくりをして下さい(^^)