昭和男子の令和時代攻略法

幼少期は友達ゼロ人。だけどゼロから作品やイベント、そして組織を創ることかできるようになった昭和男子のマイライフ!

表現の自由について

こんにちは

sho-ichです。

 

「表現の不自由展 その後」について、

さまざまな意見が展開されていますが、

この社会現象そのものが、

まさに「表現の不自由展」で表現したかったこと…

すなわち、「表現の自由とはなんなのか?」を問うことになっていて、批判する人の声の大きさをも利用して、より多くの人に主張を届けるという、

なんとも秀逸な表現技法だな…

と結構感心しています…!!

 

やっぱ芸術の力ってすげぇな。。。

 

 

さて、

個人的には、管理主義的な社会よりも自由主義的な社会で暮らしたい派ではありますが、

そういった個人の主義主張を介さずに、

そもそも国家とは?表現の自由とは?

ということを、ロジックだけで紐解いてみたいと思います。

 

 

 立憲主義

そもそも近代国家は立憲主義の立場を取っています。すなわち、憲法が最上位にあって、国家もその法に従う、という原則です。

この逆は絶対王政などがそうですが、国家や国家元首が自由に法律を作って国民を統制したり、場合によっては裁いたりできる体制です。

近代社会は、市民革命等を経て、この体制を変え、自由を獲得してきたということが、教科書的な歴史でもあります。

 

憲法と法律

憲法と法律の違いを混同している人も多いと思いますが、この2つは法という意味では同じですがその性質は全く異なります。

先に述べたことにも関連しますが、憲法は権力の強い国家が、国民に不利益をもたらすような統治を行えないように、国民が国家に課した約束です。そして法律は、その国民との約束である憲法をもとに国家が作り、国民(の意思を代表している国会議員)の承認を得ているから、国民に対して効力を発揮します。

 

自由とは何か

日本人はこの、政治や法律の話の際に出てくる「自由」という概念を誤解して理解しがちだとされます。市民革命で市民(国民)が獲得した自由とは、国家からの自由を意味しています。すなわち、自分の経済活動や婚姻、言論などの権利を縛られない、ということが「自由」の意味です。そして、国家は憲法に基づいてこれらの権利の行使を保障しなければなりません。

 

表現の自由とは

表現の自由もまさに憲法で保障された権利のひとつです。表現の自由とは、それぞれの人が自分の思ったことを言ったり書いたり表したりして良いということであるとともに、その権利を国家によっては制限されませんよ、という意味が内在しています。

また、むしろどのような意見も公共の福祉に反しない限りで、国家はその機会を保障もしなければいけないのです。

 

ロジックから導かれる結論

「表現の不自由展 その後」に対しては、不快に感じる人もいることでしょう。そして、反対を表明する権利ももちろん保障されています。

だから、内容の良し悪しはここでは論じませんが、「公費を使っているからあの表現はいけない」とか「国家をおとしめる反逆だ」みたいな意見、また、それらを根拠とした交付金の交付取り消し、というような政治判断は、適切ではないと思います。

 

なぜなら、そもそも表現は国家に制限されてはならないわけですし、むしろ国家はその機会を作らなければいけないからです。

公費は使って差し支えないし、一度決めたものを取り消して表現の機会を奪うようなやり方はNGということになります。また、これらの表現に批判的なメッセージが込められているか否かはそれぞれの解釈によりますが、少なくとも誰か特定の市民に向けられた批判というよりは、込められていたとしてもそれは、まさに国家や体制などに対する批判であろうと考えられます。

繰り返しになりますが、国家が国民を縛ることができないようにするための自由とは、そもそも国家に対して反対意見が表現できる、ということなのですから、これは抑え込んではいけないはずです。

 

さいごに

だから、国家(行政)が本来やるべきことは、特定の主張を持つ表現に公費を出さないようにすることではなく、

むしろ、より多様な表現に公費を出すこと、であるべきです。

「表現の不自由展 その後」に公費を与えないのではなく、「表現の不自由 その後」に対して反対する運動や活動にも公費を出して、その意見を表現する機会を保障することだったと思います。

そうすることが、反対意見者からのテロ行為の抑制にもなるし、国家の懐の大きさを示すことになると思うんですけどね。

 

現状は愛知トリエンナーレ側がそういったディスカッションの場を設けたりしていて、

一枚上手な感じがします。

 

まぁ、僕は反対派じゃないんで全然いいですけどねー。

 

 

今回は少し難しい話になっちゃいました(-_-;)